自律神経療法

【自律神経療法とは】

 人間の体は自律神経でコントロールされています。自律神経とは交感神経と副交感神経です。交感神経はアクセルで、副交感神経はブレーキといったイメージでしょうか。


 人の体はこのバランスを自分の意志ではなく、自動的に行っています。例えば、暑いと汗が出る、走ると心臓がドキドキして心拍出量が増えます、寝るときは眠りに入りやすいよう心拍数を抑えるなどの自動調節を行っています。しかし、このバランスが崩れると、様々な弊害、病気を発症します。


 例えば、高血圧や不眠症、冷え性、便秘、疲れやすい、下痢をしやすい、風邪を引きやすいなどがあげられます。

 一般的に交感神経が過度に興奮した状態では白血球の中の顆粒球が増加し、顆粒球が産生する大量の活性酸素のため、十二指腸潰瘍や潰瘍性大腸炎、化膿性の炎症を引き起こすことに繋がります。

 逆に副交感神経が過度に優位になると、アレルギー疾患に罹りやすくなる、気力・活力が減退する、アセチルコリンの過剰分泌のためうっ血という血行障害を起こし、冷え性の原因となりえます。


 病気のすべてに自律神経が関与しているわけではありませんが、このバランスをと整えることで、症状の改善に大きく繋がる可能性があります。

 もしも、いろいろな治療を試みたが期待する効果が得られなかった方には、一度試みていただきたい治療法だと考えています。


【具体的にどんなことをするのか?】

 自律神経のバランスを整えるにはいろいろな方法があります。簡単なことでいえば、家族や友人と楽しい時間を過ごす、適度な運動を行う、良質な睡眠を取ることなどがあげられます。

 とはいっても、なかなかこのような時間を作れない、これだけでは改善しないこともあります。その場合には、当院ではスーパーライザーという機械を用いて、首の奥にある星状神経節という交感神経のツボのような部位に近赤外線を照射し、星状神経節ブロックと同じような効果を得るという治療を行っています。交感神経節をブロックするといろいろな病気を治すことにつながります。

 神経節ブロックはペインクリニックでは良く行われる手技の一つですが、誤って交感神経節の近くを走行している総頚動脈を刺してしまう可能性もあり、難易度の高い手技と言えます。

 スーパーライザーは星状神経節ブロックに比べると効果は劣りますが、星状神経節ブロックと同じように交感神経の緊張をとり、血流改善効果は促進されますが、危険な合併症を起こすことはありません。

 とりあえず安全は安心、効果は人それぞれかもしれませんが、一度試してみませんか?


【効果の期待できる疾患・症状】

(全身疾患)

帯状疱疹
反射性交感神経萎縮症(カウザルギー、幻肢痛、断端痛)


(頭部疾患)
頭痛(片頭痛、筋収縮性頭痛、群発頭痛、側頭動脈炎)
脳血管攣縮
脳血栓 ・脳梗塞
円形脱毛症


(顔面疾患)
末梢顔面神経麻痺(ベル麻痺、ハント症候群、外傷性顔面神経麻痺)
顔面痛(非定型顔面痛、咀嚼筋症候群、顎関節症)

(眼疾患)

網膜血管閉塞症
網膜色素変性症
視神経炎
角膜潰瘍
緑内障
アレルギー性結膜炎
飛蚊症
眼精疲労


(耳鼻科疾患)
アレルギー性鼻炎
急性・慢性副鼻腔炎
突発性難聴
メニエール病
鼻閉症
扁桃炎
耳鳴咽喉頭異常感症
嗅覚障害
花粉症


(口腔疾患)
抜歯後痛
舌痛症
潰瘍性口内炎


(上肢疾患)
上肢血行障害(レイノー病、レイノー症候群、急性動脈閉塞症、バージャー病)
頸肩腕症候群
外傷性頸部症候群
胸郭出口症候群
肩関節周囲炎
術後性浮腫(乳房切断後症候群)
骨折
テニス肘
腱鞘炎
頸椎症
腕神経ニューロパチー(外傷性、術後)
強皮症
関節炎
多汗症
凍傷
凍瘡
肩こり


(心臓疾患)
心筋梗塞
狭心症
洞性頻脈


(呼吸器疾患)
慢性気管支炎
肺栓塞
小児喘息


(その他)
痔核
便秘
不眠症
冷え性
自立神経失調症       (赤羽耳鼻科クリニックのHPより引用)

【保険診療となりますか?】

整形外科疾患では消炎鎮痛処置がなされている場合、皮膚疾患では光線療法がなされている場合などに、赤外線療法が健康保険適応となります。

【自由診療の費用】

1回10分2門照射が1セットで、2,200円 (税込み)