肥満(ダイエット)外来
当クリニックでは予防医療に力を入れています。肥満はいろいろな病気を発症させる温床となります。
当院では肥満症の適応承認がなされたGLP-1製剤「ウゴービ®」の発売を待ってから肥満外来を行う予定でおりましたが、現時点ではまったく見通しがたっておりません。そこで、BMI25以上(体重Kg÷身長m÷身長mで計算)の方、あるいは25未満でも糖尿病の方を対象に、同じ成分であるセマグルチドの内服薬であるリベルサス®を用いて自由診療にて開始いたします(もちろん糖尿病であれば保険診療となります)。現在、自由診療枠でのリベルサス®(セマグルチド)は在庫管理上の理由で、処方できません。ご了承ください。
GLP-1とはGIPも併せてインクレチンといわれるホルモンのひとつです。いずれも膵臓からインスリンを分泌させて血糖値を下げる働きがあるホルモンで、一般的には「痩せるホルモン」とも呼ばれています。当院ではメインとして、GLP-1製剤のひとつであるリベルサス®(一般名セマグルチド)を使用していきます。
GLP-1製剤を使用したダイエットの作用機序は、脳の食欲中枢に働きかける過食の予防、胃腸の動きを抑制する満腹感の継続、熱産生を増やし脂肪を分解させやすくするなどにあります。
副作用としては、悪心・嘔吐、腹部膨満、便秘、下痢などがあります。逆をいえば、これらの症状は過食の予防、満腹感の継続にも繋がっていると言えます。他には、低血糖、急性膵炎などがあります。
肥満外来の対象者、実際の診療の流れは以下の通りです。
肥満外来はBMIが25以上の方を対象としていますが、糖尿病の方は25未満でも対象とします。
また、初診は糖尿病、高血圧や脂質異常など、何らかの異常や疾患があれば、保険診療の適応となりますが、肥満以外は何も症状や所見のない方は保険診療には該当せず、約8,000~8,500円の費用が発生します(健康診断や血液検査をどこかで行っていれば、そのデータをぜひ持参してください)。2回目の受診の際も、血液検査で異常がなければ、全額自費となります(この際の費用はかなり安くなります)。
ただし、この時からリベルサス(セマグルチド)の処方を希望される方は、糖尿病の診断が付かない場合には自由診療(全額自費)となります。
1回の診察料2,200円(税込み)+くすり代
リベルサスは飲み方が大切です。
毎日起床時に飲食前に120ml以下の少量の水で内服をする。
そして、30分間は一切飲食を避ける、他の内服薬との同時服用も避ける。
3mg錠を4週間、その後7mg錠を4週間、効果や副作用をみて14mgに増量。
■3mg錠:1錠330円 30日分 9,900円 (税込み)
■7mg錠:1錠550円 30日分 16,500円 (税込み)
■14mg錠:1錠880円 30日分 26,400円 (税込み)
Q1.現在糖尿病で治療中ですが、リベルサスを追加すると治療費は高くなりますか?
A1.おそらくですが、薬代は高くなると思います。保険診療であれば、診察代は変わりません。
Q2.サノレックスの処方はしてもらえますか?
A2.サノレックスは脳の食欲中枢に作用して食欲を抑える薬剤です。現在は、BMIが35以上で保険適応となります。その場合は、調剤薬局でくすりをもらいます。しかし、3か月という縛りがあります。自由診療での処方は可能ですが、当院ではBMI25未満の方には処方しません。1回の診察料2,200円(税込み)+くすり代(1錠400円(税込み)で、×日数分)となります。
Q3.「ウゴービ®」が発売された場合はどうなりますか?
A3.ウゴービ®もオゼンピック®、リベルサス®もおなじ成分(セマグルチド)です。ウゴービは抗肥満薬の適応承認は受けておりますが、薬価も決まっておりませんし、健康保険を使って処方できるのかもわかりません。また、基幹病院でしか処方してもらえない可能性が高いと考えられます。従って、現時点で発売を待ち続けるのは、非現実的な選択といえます。
肥満症の診断に必要な健康障害
1. 耐糖能障害 (2型糖尿病・耐糖能異常など)
2. 脂質異常症
3. 高血圧
4. 高尿酸血症・痛風
5. 冠動脈疾患
6. 脳梗塞・一過性脳虚血発作
7. 非アルコール性脂肪性肝疾患
8. 月経異常・女性不妊
9. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
10. 運動器疾患 (変形性関節症:膝・股関節・手指関、変形性脊椎症)
11. 肥満関連腎臓病