腋下多汗症
多汗症は、けっして珍しい疾患ではありません!!
日本人の10人に1人が原発性局所多汗症であり、そのうち約60%が原発性腋窩多汗症であるといいます。
あなたの脇汗、治ります!
夏になると脇汗が気になりますよね。とくに色の濃いシャツを着ていると、一層目立ちます。男性もそうですが、女性ならなおのこと、気になると思います。
今までは市販のスプレーや塗り薬で我慢してませんか?一定の条件に該当すれば、「原発性腋下多汗症」という診断で、健康保険を使って診療することが可能です。
原発性腋下多汗症とは?
汗の量が多くなる原因となる病気や障害がないのにもかかわらず、腋窩から両側性に日常生活に支障をきたす程の過剰な発汗を認める疾患です。 緊張、自律神経の乱れといった精神的な要因や、気候・室温等温度に影響に関わらず、多量の汗が分泌される点が特徴です。
原発性腋下多汗症の診断基準
原因不明の過剰な局所性発汗が6ヵ月以上持続していることに加え、下記6項目中2項目以上を満たす場合に原発性局所多汗症と診断します。
1.両側性かつ左右対称性に多汗がみられる
2.多汗によって日常生活に支障が生じている
3.週1回以上の頻度で多汗エピソードがみられる
4.25歳未満で発症した
5.家族歴がある
6.睡眠時は局所性の発汗がみられない
腋窩多汗症の重症度判定
重症度の判定では、患者の自覚症状から簡便に評価を行える“Hyperhidrosis Disease Severity Scale(HDSS)”が一般的に使用されます。
発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある
重症度2度以上で治療の適応となります。
治療にはどのようなものがありますか?
国内外のガイドラインでは塩化アルミニウムの外用が第一選択の治療とされています。
ボツリヌス療法は、外用薬の効果が不十分な場合や、副作用により外用療法の継続が困難な場合の第二選択と位置づけられます。
しかし、近年、簡便で効果の高い薬剤が発売され、健康保険を使って治療が可能となりました。
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ラピフォートやエクロックの作用機序は?
多汗症の原因となるわきの汗は、エクリン汗腺という種類の汗腺において、交感神経から出るアセチルコリンという物質が汗腺を刺激することで、多量の汗が分泌されます。
ラピフォートやエクロックゲルはこのアセチルコリンによる刺激をブロックし、過剰に出る汗を抑えます。
汗染みでお悩みの方、特にこの時期にいつも恥ずかしい思いをされている方は、当クリニックにお気軽にご相談ください。